通販サイトを運営していると、毎日のようにアクセス数を確認するのが習慣になります。
ある日、いつものようにGA4を開くと、「セッション数がいつもの約3倍になっている」
通常は数万セッションで推移しているサイトが、突然の急増。
嬉しい反面、こういうときにまず疑うべきは「バズ」ではなく「異常」です。
今回は、通販サイトにおける数値の異常値の見つけ方と、その確認手順を解説します。
① まずは「どのページ」が異常かを確認する
最初にやるべきことは、どのページにアクセスが集中しているかの確認です。
GA4の「レポート」→「エンゲージメント」→「ランディングページ」を開きます。

通常、多くの通販サイトではトップページが1位に来ることが多いはずです。
しかし今回、1位はトップページではなく、特定の1ページ。しかも、そのページだけが異常に伸びている。
これで、
- サイト全体の成長ではない
- 特定ページに集中している
ということが分かります。
異常値チェックの第一歩は「全体」ではなく「ページ単位」で見ることです。
② 次に「どこから来たのか」を確認する
ページが特定できたら、次は流入経路の確認です。いわゆる「参照元」です。

GA4では「セッションの参照元/メディア」を確認します。これを見ることで、
- SNSから?
- 広告から?
- Google検索から?
- アプリ?
- 直接アクセス?
といった経路が分かります。
今回の数値は以下の通りでした。
- (direct) / (none) +56%
- (not set) +1262%
ここが重要です。
NSのバズではない。広告最適化でもない。Google検索の急増でもない。原因不明の「直接アクセス」と「not set」の急増。
GA4を触っている人なら、「not set」をもっと詳しく見たくなるはずです。
これは、参照元が取得できていないセッション。
つまり、
- 計測不備
- 外部アプリ
- クローラー
- ボット
- 不正アクセス
などの可能性があります。
この時点で「通常のマーケティング要因ではない」と判断できます。
③ どの国からのアクセスかを見る
アクセス異常=攻撃の可能性も疑います。通販サイトで一番怖いのは、
- 個人情報流出
- クレジットカード情報の流出
- 不正注文
です。
GA4の「レポート」でセカンダリディメンションに「国」を追加します。
すると、「どのページに」「どの国から」「どれくらい来ているか」が分かります。

今回、ある特定の国からのアクセスが異常に増加。
先週比で「+99%」「+150%」というレベル。これは「微増」ではなく、明らかな異常です。
ここまで整理すると、
ある期間中、特定ページに対し、ある国から異常なアクセスが発生している
という構図が見えてきます。
④ それは「人」か「機械(ボット)」か?
最後に確認すべきは、それが人なのか機械なのかです。
これを判断するには「時間帯別アクセス」が有効です。
GA4の「探索」を使うと見やすくなります。
| ディメンション | 指標 |
| ・ページパスとスクリーンクラス ・国 ・時間 | ・表示回数 ・セッション ・新規ユーザー数 |
今回の結果は、21〜23時にアクセスが集中。
これが難しいところ。
- 深夜3時〜5時ならボットの可能性大
- 日中のみなら人の可能性高い
- ゴールデンタイムは判断が微妙
つまり、「GA4だけでは断定できない」ということです。
⑤ 最終確認はサーバーログ
GA4である程度の推測は可能ですが、本当に安心したいならサーバー情報を確認するのが最速です。
サーバーログを見れば、
- いつ
- どこから
- どのIPアドレスから
- どの頻度で
アクセスがあったかが詳細に分かります。
通販カートを利用している方は、カートシステムを提供しているサポートなどに連絡するとよいでしょう。
多くの場合、半日ほどで調査結果が分かります。
まとめ
通販サイトでアクセスが急増したとき、まず疑うべきは「成功」ではなく「異常」です。
確認手順は以下の通りです。
- ランディングページで異常ページを特定
- 参照元/メディアで流入経路を確認
- 国別データで海外アクセスをチェック
- 時間帯で人かボットかを推測
- 最終的にサーバーログで裏取り
GA4だけでもかなりの特定は可能ですが、最終判断はサーバー情報。
通販運営では「売上」だけでなく、「異常値に気づく力」も重要なスキルです。
数値を見る習慣がある人だけが、トラブルを未然に防げます。
アクセスが伸びたときほど、冷静に。それが、安定した通販運営への第一歩です。
